SPLASH!―デザイン・ミュージアムで見る水泳とスタイルの100年

2025年8月17日まで、ロンドンのデザイン・ミュージアムでは、「Splash!水泳とスタイルの100年」と題した没入型の回顧展が開催されています。アンバー・ブッチャートのキュレーションのもと、1920年代のウール製水着から、1946年の象徴的なビキニ、SpeedoのLZRレーサーのような高性能スイムウェアに至るまで、水着の進化を物語る200点以上の展示品が並びます。展示は「プール」「リド(海辺の公共プール)」「自然」の3つの世界観で構成されています。

注目の展示品には、パメラ・アンダーソンが『ベイウォッチ』で着用した赤い水着、1924年に英国女性が獲得した初のオリンピック金メダル、そして1980年代のヴィンテージSpeedoなどがあります。また、ザハ・ハディドが設計したロンドン・アクアティクス・センターの模型など、水に関する建築やリドの社会的歴史も紹介されています。

この展示は単なるファッション回顧展にとどまらず、ウール、ナイロン、ライクラといった素材や、インクルーシブ性、持続可能性、身体表現といったテーマにも迫ります。展示の最後には、韓国の海女(ヘニョ)を題材にした詩的な映像など、自然をテーマにした没入空間が用意されています。歴史的、芸術的、社会的視点から、水との関係を深く見つめ直す機会となるでしょう。