リー・バウリー!テート・モダンにて

 

ロンドンのテート・モダンでは、2025年2月27日から8月31日まで、カルト的なアンダーグラウンドアイコン、リー・バウリーの大規模な回顧展「Leigh Bowery!」が開催中です。これはイギリスで初となる本格的な展覧会で、ファッション、パフォーマンス、サブカルチャーを横断するオーストラリア出身のアーティストの軌跡をたどります。衣装、写真、映像、アーカイブなど200点以上が展示され、来場者を鮮やかで挑発的な世界へと誘います。

 

 

ラテックス、チュール、スパンコール、極端なボリュームを駆使したバウリーの象徴的な衣装は、グロテスクと崇高の境界を行き来しながら、展示の中心に据えられています。また、振付師マイケル・クラーク、画家ルシアン・フロイド、写真家ニック・ナイトやファーガス・グリアとの協業も紹介され、パフォーマンスやクラブ「Taboo」のアーカイブ、映像作品を通じて、その芸術的影響を体感できます。

 

ショッキングなビジュアルの裏には、バウリーの思想が息づいています。身体を表現の手段として用い、ジェンダーの規範を問い直し、エイズ危機へのアーティスティックな応答を示した彼の活動は、現代のファッションやパフォーマンスアートに今なお強く影響を与えています。