アンディ・ゴールドスワージー ロイヤル・スコティッシュ・アカデミーでの50年展

 

2025年11月2日まで、エディンバラのロイヤル・スコティッシュ・アカデミーにて、イギリスのアーティスト、アンディ・ゴールドスワージーの50年間を祝う大規模な回顧展「Andy Goldsworthy: Fifty Years」が開催されています。本展示は、1970年代から最近の作品までの進化を辿る写真、彫刻、インスタレーション、ドローイングなど200点以上の作品を集めた没入型の展覧会です。ゴールドスワージーは石、雪、葉、羊毛などの自然素材を詩的に用い、それらを野外の儚いインスタレーションへと変化させることで知られています。

 

 

この展覧会はRSAの象徴的な建物の上階の全ギャラリーと1階の大部分を占めています。ゴールドスワージーは空間の素材や建築に応じて全体を一つの作品として設計しました。見どころには、壮大な階段を駆け上る羊毛のラグ「Wool Runner」(2025年)や、ダンフリーズ&ギャロウェイの墓地から集められた墓石で構成された「Gravestones」(2025年)があり、記憶と死生観をテーマにしています。

 

また、従来の美術界では見過ごされがちな、ゴールドスワージーの作品における政治的・社会的側面にも焦点が当てられています。ギャラリーの湿った床に残された痕跡「Rain Shadow」(2024年)や赤土の壁「Red Wall」(2025年)などは、人間と自然、領域の関係性を問いかけます。この回顧展は、生々しく崇高な作品を通じて、自然界との繋がりを深く考えさせるアーティストへの正当な評価を提供します。